農業用ドローン散布サービス市場の現状
日本の農業用ドローン市場は急速に拡大しており、2024年時点で約90.8百万米ドル、2033年には350百万米ドルに達すると予測されています。市場の約70%をDJI製が占め、次いでXAG、国産ではマゼックスやナイルワークスが続きます。2015年に農林水産省がガイドラインを定めて以降、補助金制度の後押しもあり、農薬散布代行サービス事業体が全国で急増しています。
従来の無人ヘリコプターと比較して、ドローンは小規模・中規模農地や中山間地、変形ほ場に強く、1haあたり約10分で散布完了という効率性が評価されています。オペレーターは農林水産航空協会の技能認定を受けており、RTKモジュールによる誤差数cmレベルの高精度な散布が標準化されつつあります。
サービス形態は大きく分けて、全国展開する大手事業者(オプティム、SWIFT、NTT e-Drone Technology等)と、地域密着型の中小事業者に二分されます。大手はAIによる適期判定や申込書取りまとめなどのDX化を推進し、地域事業者は地元農協との連携や細やかな対応を強みとしています。料金相場は1反(10a)あたり2,000~3,000円が一般的で、初期投資不要・申請代行・メンテナンス不要といったメリットから、高齢化が進む農業現場での需要が拡大中です。
今後は稲作のみならず、大豆・枝豆・麦・ネギ・果樹など適用作物の拡大、さらに肥料散布・播種・受粉・センシングといった多用途化が進み、2028年には国内市場規模88億円に達する見込みです。