日本の生分解性包装資材市場の概要
日本の生分解性包装材市場は2024年に約64億米ドルの規模に達し、2033年には100億米ドルを超えると予測されています(年平均成長率5.26%)。プラスチック削減政策の強化と環境配慮型包装へのニーズ拡大により、PLA(ポリ乳酸)、PHA(ポリヒドロキシアルカン酸)、PBS(ポリブチレンサクシネート)、セルロース系など多様な生分解性素材を扱うメーカーが国内で事業を展開しています。
主要な素材タイプと認証
PLA(ポリ乳酸):ユニチカの「テラマック」や王子ホールディングスの木質由来PLAなど、植物由来の糖から製造され、産業コンポスト環境で生分解します。透明性が高く食品包装容器やフィルムに広く使用されています。
PHA(ポリヒドロキシアルカン酸):カネカの「Green Planet® PHBH」が代表格で、海洋環境でも生分解する特徴があり、家庭用コンポストや土壌でも分解可能です。農業資材や食品包装材に活用されています。
PBS(ポリブチレンサクシネート):三菱ケミカルの「BioPBS™」は、低温ヒートシール性と柔軟性に優れ、紙コップのラミネート材やカトラリー、食品包装フィルムに採用されています。日本バイオプラスチック協会(JBPA)の海洋生分解性認証や米国FDA食品接触物質認証を取得しています。
セロファン・セルロース系:レンゴーとフタムラ化学が世界シェアの約8割を占め、レンゴーの「REBIOS(レビオス)」は生分解性樹脂との複合により耐水性とヒートシール性を実現。ダイセルは酢酸セルロースの海洋生分解性向上に取り組んでいます。
認証制度
国際的にはTÜV AUSTRIAのOK compost認証(産業用コンポスト対応のINDUSTRIAL、家庭用コンポスト対応のHOME)が広く採用されています。日本ではJBPAによるグリーンプラ(生分解性プラマーク)認証があり、250アイテム以上が認定されています。また、海洋生分解性認証も2023年から運用が開始され、三菱ケミカルのBioPBS™などが取得しています。
業界動向
iProsによると生分解性フィルムメーカーは11社、Metoreeによると包装資材メーカーは151社が掲載されており、そのうち生分解性対応メーカーは推定40〜50社程度と考えられます。食品包装フィルム分野では旭化成、クレハ、信越ポリマーなどの大手化学メーカーが環境対応製品の開発を進めており、大日本印刷も包装用生分解性電子機器分野に参入しています。王子ホールディングスは国内唯一のポリ乳酸量産化を目指し、非可食の木質パルプを原料とする技術開発を推進中です。