BEMS提供企業の全体像
日本のBEMS市場は、2023年時点で約265億円規模に達し、2035年には1,345億円まで成長すると予測されています。省エネ法の改正や2025年からの新築建物への省エネ基準義務化、2050年カーボンニュートラル目標を背景に、大手電機メーカー、ビル管理システム専業、ITサービス企業など多様なプレイヤーが参入しています。
BEMSの核心的価値は、単なる「見える化」にとどまらず、AIとIoTを活用した予兆保全と自動制御にあります。たとえばアズビルのsavic-net G5はBACnet通信による設備統合で多様なメーカー機器を一元管理し、パルコスモのPN-XEROは温度フィードバック制御により快適性を損なわずに5〜15%の電力削減を実現しています。
| 企業タイプ | 代表例 | 強み |
|---|---|---|
| 総合電機メーカー | アズビル、三菱電機、日立 | 空調・照明などハードウェアとの垂直統合 |
| 専業BEMS企業 | パルコスモ | 中小規模施設への柔軟な導入モデル |
| ITサービス系 | BIPROGY(旧日本ユニシス) | クラウド基盤とデータ分析 |
| サブスク型 | エアアズアサービス(ダイキン×三井物産) | 初期投資不要の長期契約モデル |
導入効果として、BEMSは建物全体で約10%の省エネを実現し(資源エネルギー庁)、導入事例では那覇空港が月40万kWh削減、神奈川県内のシネマコンプレックスが電力料金28%削減を報告しています。投資回収期間は商業ビルで3〜5年、産業施設で7〜10年が一般的です。
省エネ法対応だけでなく、ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)認証取得や、ESG投資家へのアピール材料としてBEMS導入を位置づける企業も増えています。補助金は直接的なBEMS補助は終了していますが、ZEB補助金の枠内でカバーされます。
選定時の重要ポイントは、既存設備との互換性(BACnet等のオープンプロトコル対応)、クラウド管理の可否(複数拠点の一元管理)、AIによる自動最適化機能、そして導入形態の柔軟性(買い切り/サブスク)です。中小規模ビルではサブスク型が初期投資を抑えられる一方、大規模施設では長期的なカスタマイズ性を重視した買い切り型が選ばれる傾向にあります。