化学物質規制データベースサービスとは
化学物質規制データベースサービスは、REACH規則(EU)、RoHS指令(EU)、化審法(日本)、TSCA(米国)、K-REACH(韓国)など、世界各国の化学物質規制に対応するための専門データベースを提供するサービスです。化学メーカー、電子部品メーカー、素材メーカーは、製品に含まれる化学物質が各国規制に適合しているかを効率的に確認する必要があります。
これらのサービスは、数万から数十万件の化学物質情報、法規制要件、有害性情報、SDS(安全データシート)を統合管理し、サプライチェーン全体での規制対応を支援します。従来は各国規制当局のサイトを個別に確認する必要がありましたが、一元管理サービスの導入により、調査工数を大幅に削減できます。
主要な化学物質規制
REACH規則(Registration, Evaluation, Authorization and Restriction of Chemicals)は、2007年にEUで発効した化学物質の登録・評価・認可・制限に関する規則です。年間1トン以上の化学物質をEU内で製造・輸入する事業者は、欧州化学品庁(ECHA)への登録が義務付けられています。ECHAのデータベースには約25,500種類の化学物質が登録されており、SVHCs(高懸念物質)のCandidate Listは定期的に更新されます。
RoHS指令(Restriction of Hazardous Substances)は、電気・電子機器に含まれる特定有害物質の使用を制限するEU指令です。鉛、水銀、カドミウム、六価クロム、特定臭素系難燃剤など10物質が規制対象となっており、ハザードベースの禁止措置が取られています。
化審法(化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律)は、日本における化学物質の製造・輸入・使用を規制する法律です。第一種特定化学物質は製造・輸入が原則禁止され、約19,500物質の詳細情報が管理されています。
市場規模と業界動向
製品コンプライアンスソフトウェアとEHS規制コンテンツの統合市場は、2023年に7億8,100万ドルに達し、2028年には年平均成長率13.4%で14億6,000万ドルに達すると予測されています(Verdantix調査)。規制の厳格化、PFAS規制の拡大、サーキュラーエコノミー政策の導入が市場成長を牽引しています。
グローバル市場では、Sphera、Verisk 3E、UL Solutions、Enhesaなどの欧米大手企業が高いシェアを占める一方、日本では日本ケミカルデータベース株式会社が日本の化学業界144社の共同出資により設立され、日本市場に特化した規制情報を提供しています。中国・アジア市場ではCIRS Groupが化審法や各国インベントリー検索サービスで存在感を示しています。
サービス選定のポイント
化学物質規制データベースサービスを選定する際は、以下の要素を考慮する必要があります:
- 対応規制の範囲:ターゲット市場の規制(REACH、RoHS、TSCA、K-REACH、化審法等)を網羅しているか
- 物質収録数と更新頻度:十分な化学物質データベース(数十万件以上)と定期的な法令改正への追従
- 既存システムとの連携:SAP EH&S、chemSHERPA、IMDS等の業界標準フォーマットとの統合性
- SDS作成支援:GHS分類対応のSDS/ラベル自動生成機能
- 多言語対応:グローバルサプライチェーンでの情報伝達に必要な言語サポート
- コンサルティング体制:規制解釈や対応方針についての専門家サポート
近年は、AIによる自然言語処理(NLP)を活用した規制照会ツール、ブロックチェーン技術を用いたデジタル製品パスポート(DPP)など、先進技術の導入も進んでいます。CIRS GroupのRegASKのように、英語・中国語で規制質問に回答するAIツールも登場しています。