治験データマネジメント受託市場の現状
日本のCRO業界では、Phase I-IVの治験データマネジメント(CDM)を専門的に受託する企業が約120社存在します。米国では製薬企業の約8割がCROに治験業務を委託しているのに対し、日本では3~5割程度ですが、グローバル試験の増加やコスト削減の要請から委託率は年々上昇しています。
EDC(Electronic Data Capture)の普及により、従来の紙CRFからの手入力作業は大幅に減少し、データマネジメント業務はEDCセットアップ、リアルタイムデータクリーニング、ロジカルチェックプログラム構築、データベースロックまでの包括的なプロジェクト管理が中心となっています。特にCDISH(Clinical Data Interchange Standards Consortium)標準への対応、DCT(Decentralized Clinical Trial)でのマルチソースデータ統合、EHR-EDC連携など、高度な専門性が求められる領域が拡大しています。
国内大手3社(IQVIA、イーピーエス、シミック)は200名以上のDM専門リソースを保有し、中堅企業ではエイツーヘルスケア、メディサイエンスプラニング、リニカル、パレクセル、アイロムグループなどが各々の専門領域で実績を積んでいます。がんや中枢神経系などの難疾患、国際共同治験、再生医療といった先端領域では、経験値とグローバルネットワークを持つCRO選定が治験成功の鍵となります。