クラウドネイティブ開発パートナー選定の重要性
事業会社のCTOや開発マネージャーが新規システムをKubernetes等のクラウドネイティブ技術で構築する際、外部委託先の選定は極めて重要です。従来のSIerはオンプレミス・モノリシックな設計に長けていても、コンテナオーケストレーション、マイクロサービスアーキテクチャ、Infrastructure as Code、CI/CD自動化といった領域での実績が不足している場合があります。
Cloud Native Computing Foundation (CNCF) の2024年調査によれば、組織の93%がKubernetesを利用・試験運用・評価中であり、本番環境での実行は66%から80%に増加しています。Kubernetes市場は2025年に37億6000万米ドル、2030年には82億4000万米ドルに達すると予測され、CAGR 17.01%の成長が見込まれています。
日本国内のクラウドネイティブ市場動向
日本国内では2025年のクラウド市場が前年比29.2%増の9兆7084億円に達し、クラウドネイティブなシステム開発が盛んに進められています。主要クラウドプロバイダー(AWS・Azure・GCP)の公式パートナー企業を中心に、コンテナ技術を活用したビジネスシステム開発・運用を支援する専門企業が増加しています。
パートナー選定の基準
クラウドネイティブ開発パートナーを選定する際は、以下の要素を重視すべきです:
- 認定資格と実績
- AWS APNプレミアパートナー、Microsoft Azure Specialization、GCP MSPなどの最上位認定を持つか。Kubernetesやマイクロサービスの実際の導入プロジェクト数。
- 技術スタック
- Kubernetes/EKS/AKS/GKE、Terraform、CI/CDパイプライン、サービスメッシュ(Istio等)、コンテナレジストリ運用など、現代的なDevOps技術への対応力。
- 業界知見
- 自社の業界(金融、製造、小売、SaaS等)での開発・運用実績。コンプライアンスやセキュリティ要件への理解。
- 内製化支援体制
- 外注型から並走型、最終的に自社エンジニアが自走できるまでのノウハウ移転プロセスが確立されているか。
主要プレイヤーの特徴
クラスメソッドは2022年にAWS SI Partner of the Year - GLOBAL を受賞し、年商950億円規模のグローバル展開を行う国内最大級のクラウドインテグレーターです。サーバーワークスは2009年からAWS専業で1,440社・25,600件以上の導入実績を持ち、AWS伴走型支援に特化しています。
アイレットは「cloudpack」ブランドでAWSとGCP両方のMSP認定を保有し、24時間365日のフルマネージドサービスを提供。エーピーコミュニケーションズは「Kubernetes on Microsoft Azure」Specializationを取得し、AKSを活用したクラウドネイティブ内製化支援に強みを持ちます。ヘッドウォータースは2024年に「AIイノベーション パートナー オブ ザ イヤー」を受賞し、Azure上でのAI統合開発に注力しています。
Cloud Native Builders Groupの取り組み
2022年12月には、クラウドネイティブ開発を得意とするAWSパートナー6社(Aokumo、Quail、GeekFeed、Seeds、ForgeVision、Benjamin)が「Cloud Native Builders Group」を設立し、知見の共有とエコシステム強化を推進しています。こうした業界団体の活動により、日本国内のクラウドネイティブ技術の標準化と品質向上が加速しています。
グローバル企業の日本参入支援
Japan Cloudのような専門コンサルタント企業は、Salesforce、Marketo、PagerDuty、Kong等のグローバルSaaS企業18社の日本市場参入を支援してきた実績があり、クラウドネイティブ技術を持つ海外企業の日本展開においてもパートナーエコシステムの構築に貢献しています。