日本の法人向けヘルスケアアプリ市場
2024年度の法人向けヘルスケアソリューション市場は前年比26.0%増の325.3億円に達し、2028年度には806.5億円規模まで拡大する見込みです。従業員50人以上の企業に義務化されたストレスチェックや、健康経営優良法人認定制度の普及により、企業による従業員の健康管理が経営課題として認識されるようになりました。
主要ベンダーと市場シェア
市場は大きく3つのプレイヤーに分類されます。大企業向けに特化したエンタープライズソリューションでは、NTTテクノクロスのHM-neoが3,000名以上の大手企業向けシェア18.4%でNo.1を獲得しています。味の素などの大手企業が導入し、年間151時間/人の業務削減効果を実証しています。
中堅・中小企業向けのクラウドサービスでは、Growbase(ウェルネス・コミュニケーションズ)が1,700社、Carely(iCARE)が500社の導入実績を持ち、継続率99%超の高い顧客満足度を維持しています。
健康増進アプリに強みを持つプロバイダーとして、FiNC for BUSINESS(FiNC Technologies)がファイザー、江崎グリコ、サッポロホールディングスなど400社に導入され、累計1,200万ダウンロードの実績を誇ります。
機能別の選定ポイント
| 業務領域 | 必須機能 | 代表的ベンダー |
|---|---|---|
| 健診管理の効率化 | 判定代行、受診勧奨自動化、労基署報告 | HM-neo、Carely、Growbase |
| 従業員エンゲージメント | 歩数ランキング、健康プログラム、インセンティブ | FiNC for BUSINESS、KENPOS、みんチャレ |
| グローバル対応 | 多言語UI、医療通訳サービス | mediment、Well-Gate |
| 産業保健体制 | 面談管理、ストレスチェック、過重労働対策 | Carely、Growbase、HM-neo |
導入時の比較検討項目
- 初期費用と従業員単価
- Growbaseは初期費用10万円+月額120-300円/人、FiNC for BUSINESSは見積もりベースですが、1~2ヶ月で導入可能。HM-neoは大企業向けのため詳細は要相談。
- 外部システム連携
- SmartHR、freee人事労務などのHRシステムとのOAuth連携が標準化されつつあります。Carelyは早期からSmartHR連携を提供し、健診結果の自動取込みを実現しています。
- 業界特化型の選択肢
- 製造業・物流業・建設業など現場業務が多い企業にはmedimentが多言語対応で適しています。健康保険組合と連携したデータヘルスにはKENPOSが実績豊富です。
市場トレンドと今後の展望
2026年現在、健康管理システムは単なる法令対応ツールから、人的資本経営の中核インフラへと進化しています。AIによる健診判定代行、メンタル不調の予兆検知、ウェルビーイングサーベイといった高度な分析機能が標準化され、従業員の健康データを経営判断に活用する企業が増加しています。
みんチャレHEALTHCAREの禁煙プログラムは、100法人、1万人以上の参加者を獲得し、5回の禁煙外来通院を上回る50%超の成功率を達成しています。習慣化アプリとチーム励まし合い機能により、従来の保健指導を超える効果を実証しました。
法人向けヘルスケアアプリの選定では、自社の従業員規模、既存システム環境、優先的に解決したい健康課題(メンタルヘルス、生活習慣病、エンゲージメント等)を明確にした上で、複数ベンダーのデモとトライアルを実施することが推奨されます。