AEO認定通関業者とは
AEO(Authorized Economic Operator)認定通関業者とは、貨物のセキュリティ管理とコンプライアンス(法令遵守)の体制が整備された通関業者として、税関長から認定を受けた事業者です。2026年1月時点で日本には266社のAEO認定通関業者が存在し、東京税関、横浜税関、神戸税関をはじめとする全国の税関で認定を受けています。
通関業者は日本全国に約950社存在しますが、そのうち約28%がAEO認定を取得しており、国際物流において高い信頼性と効率性を提供しています。
AEO認定のメリット
AEO認定通関業者に通関業務を委託することで、荷主企業はAEO事業者でなくても以下の特典を享受できます。
- 特例委託輸入申告制度
- 輸入通関手続きにおいて、貨物引き取り後に税関申告が可能となり、輸入貨物の取り扱いがスムーズかつ迅速になります。
- 特定委託輸出申告制度
- 輸出通関手続きにおいて、保税地域以外の場所で輸出申告ができ、輸出貨物の通関リードタイムが短縮されます。
- カルネ申告の拡充
- 2021年4月より、AEO通関業者が取り扱う貨物は、指定された税関でカルネ申告が可能になりました。
認定要件と監査プロセス
AEO認定を取得するには、以下の要件を満たす必要があります。
- 法令遵守規則の策定と社内教育体制の整備
- 貨物のセキュリティ管理体制の構築(施設・貨物管理、情報セキュリティ等)
- 適正な会計処理と記帳体制
- 2年以上の通関業務実績
税関による書面審査と実地審査を経て認定され、認定後も定期的な監査により継続的なコンプライアンスが確認されます。
主要なAEO認定通関業者
日本の主要物流企業の多くがAEO認定を取得しています。近鉄エクスプレス、日本通運グループ、郵船ロジスティクス、上組、丸全昭和運輸、西日本鉄道などの大手企業に加え、Kuehne + Nagel、DHLなどの外資系フォワーダーもAEO認定を受けています。
丸全昭和運輸は2008年10月に全国で初めて横浜税関よりAEO認定通関業者の認定を受けました。西日本鉄道は2011年2月にAEO認定通関業者、2009年1月に特定保税承認者、2014年11月に特定保税運送者の承認を取得し、大手フォワーダーで初めて物流事業会社に与えられたすべてのAEO制度を取得しています。
国際相互承認
日本のAEO制度は、米国、EU、韓国、中国、シンガポール、カナダ、オーストラリアなど多くの国・地域と相互承認協定を締結しています。これにより、AEO認定通関業者を利用することで、輸出先国でも通関手続きの簡素化が期待できます。