日本市場におけるEDR製品の選定基準
エンドポイント検知・対応(EDR)製品の国内市場は急速に拡大しています。富士キメラ総研の調査によると、2022年度の国内EDR市場規模は405億円でしたが、2027年度には780億円に達すると予測されており、年平均成長率20%超の高成長市場です。
市場シェアと導入状況
日経クロステックの最新調査では、EDRは全体の48%が導入済みで、検討中を含めると4分の3を超えています。ベンダー別では、トレンドマイクロ、CrowdStrike、Microsoftの3社で導入企業の半分以上を占めます。一方、ITRの調査レポートではCybereasonが7年連続で国内シェア1位(出荷金額ベース)を獲得しており、調査機関によって異なる結果が出ています。
MITRE ATT&CK評価の重要性
MITRE ATT&CKは、実際の攻撃手法を模擬した標準化された評価フレームワークです。過去に検知率100%を達成したのは、SentinelOne、Cybereason、CrowdStrikeの3製品のみ。この評価結果は製品選定における客観的な指標として活用されています。
日本市場特有の選定ポイント
海外製EDRを導入する際、多くの企業が直面する課題は日本語対応とタイムゾーンの違いです。Cybereasonのように国内にSOC(セキュリティオペレーションセンター)を構える製品や、トレンドマイクロのような国内ベンダーは、日本語マニュアル、24時間365日の日本語サポート、日本の商習慣に対応した契約形態など、きめ細かい対応が可能です。
クラウド型 vs オンプレミス型
近年のEDR製品はクラウド型(SaaS)が主流です。CrowdStrike FalconやSentinelOneはクラウドネイティブ設計により、サーバー構築不要で迅速な導入が可能です。一方、Trend Micro Vision OneやESET PROTECTは、オンプレミス環境への対応も可能で、インターネット接続に制約がある環境でも運用できます。
NGAV統合とXDR展開
現代のエンドポイントセキュリティは、NGAV(次世代アンチウイルス)とEDRを統合した「多層防御」が標準です。さらに、Palo Alto Networks Cortex XDRやSophos Intercept Xのように、エンドポイントだけでなくネットワーク、クラウド、メールまで統合的に監視するXDR(Extended Detection and Response)への展開が進んでいます。
中堅・中小企業向けソリューション
従来、EDRは大企業向けの高額製品でしたが、ESET EDRやFFRI yaraiなど、中堅・中小企業でも導入しやすい価格帯の製品が増えています。また、自社でSOCを運用できない企業向けに、MDR(Managed Detection and Response)サービスを提供するベンダーも増加しており、マネージドEDRサービス市場は2025年度に186億円に達する見込みです。
純国産EDRの位置づけ
FFRI yaraiは、日本国内で基礎技術から開発される数少ない純国産EDRです。安全保障の観点から、重要インフラ企業や政府機関では、海外製品への依存を避け、国産製品を選定する動きが強まっています。パターンマッチングに依存しない完全ふるまい型の検知エンジンが特徴です。