小売電気事業者とは?電力自由化で選択肢が広がった法人の電力調達
2016年4月の電力小売全面自由化により、法人・個人を問わず電力会社を自由に選べるようになりました。資源エネルギー庁に登録された小売電気事業者は、2025年12月時点で799社に達しています。自由化開始時の313社から約2.5倍に増加し、法人の電力調達において多様な選択肢が生まれました。
特に法人向け電力は、2000年3月に特別高圧電力、2004〜2005年に高圧電力へと段階的に自由化が進められ、現在では新電力(旧一般電気事業者以外の小売電気事業者)が高圧・法人向け市場の18.7%のシェアを占めています(2023年3月時点)。
法人が電力会社を選ぶメリット
- 電気料金の削減:競争原理により、旧一般電気事業者より安価なプランが多数登場
- 再エネ・CO2フリー対応:RE100やカーボンニュートラル目標に対応した電力メニューが充実
- 付帯サービス:エネルギーマネジメントや省エネコンサルティングなど付加価値サービスの提供
- 供給安定性:自社電源保有や需給管理体制により安定供給を実現する事業者が増加
電力契約区分の違い
法人の電力契約は使用規模により3つに分類されます:
- 低圧電力:契約電力50kW未満の小規模事業所・店舗
- 高圧電力:契約電力50kW以上2,000kW未満の中規模工場・商業施設
- 特別高圧電力:契約電力2,000kW以上の大規模工場・オフィスビル・病院・大型商業施設
主要な小売電気事業者の特徴
エネットは、NTTアノードエナジー、東京ガス、大阪ガスが共同出資する2000年設立の老舗新電力で、特別高圧・高圧電力の販売量で常に上位にランクインしています。
東京電力エナジーパートナーは電力販売量第1位の旧一般電気事業者で、関東1都7県を中心に全国展開しており、電気とガスのセットプランも提供しています。
サミットエナジーは住友商事グループの新電力で、自社電源の保有と内製化した需給管理により、約17,000件の法人に年間約19.5億kWhの電力を供給しています(2025年3月末時点)。
丸紅新電力は、RE100要件準拠、実質CO2フリー、実質再エネ100%など環境配慮型メニューが充実しており、脱炭素経営を目指す法人に選ばれています。
ENEOSは2024年4月に電気・都市ガス事業が分社化され、業務用低圧・高圧・特別高圧すべてに対応し、再エネ電力・CO2フリー電力メニューを提供しています。
電力会社切り替えの注意点
近年、LNGなど燃料価格の高騰により撤退する新電力も増えています。事業者選定では、料金の安さだけでなく、供給実績、財務基盤、自社電源の有無、需給管理体制を総合的に評価することが重要です。また、契約期間や解約条件、燃料費調整制度の上限設定の有無なども確認が必要です。
資源エネルギー庁の登録事業者リストは公開されていますが、生データのため比較検討が難しいのが実情です。本リストでは、供給エリア、契約区分、再エネ対応、法人向けサービスなど実務上重要な項目を整理し、効率的な事業者選定をサポートします。