ESGレポーティングソフトウェア市場の展望
2024年に26億ドル規模だったグローバルESGソフトウェア市場は、2033年までに76億ドルへと拡大すると予測されています。この成長を牽引するのは、EUのCSRD(企業サステナビリティ報告指令)をはじめとする規制強化です。CSRDは対象企業を従来の約12,000社から50,000社以上へと拡大し、ESRS(欧州サステナビリティ報告基準)に基づく詳細な開示を義務化しました。
日本ではSSBJ(サステナビリティ基準委員会)がISSB基準を国内適用する動きが進んでおり、米国ではSEC気候開示規則とカリフォルニア州の気候関連法案(SB 253/261)が2026年から本格施行されます。こうした規制環境の中、Excelベースの管理では数万のデータポイントを扱う監査対応が事実上不可能になっています。
主要プラットフォームは3つのティアに分類されます。エンタープライズ統合型(SAP、IBM、Microsoft)はERP/財務システムとの緊密な統合を提供し、専門ESGソリューション(Workiva、Pulsora、Diligent)は炭素会計や監査対応に特化した機能を備えます。新興クラウドネイティブ(Greenly、Novisto)はAI駆動の自動化とSME向けアクセシビリティで差別化しています。
ツール選定では、対応フレームワークの網羅性だけでなく、マルチフレームワーク間のデータ再利用性と外部監査人とのコラボレーション機能が重要です。例えばIBM Enviziは1,000以上の質問を管理し、過去の回答を他フレームワークに転用可能にしています。またWorkivaのXBRL統合は財務・非財務データの単一真実源を実現し、監査時間を大幅に短縮します。
北米が市場シェアの36%を占める一方、規制が最も厳格なEU市場では、CSRD対応機能(ダブルマテリアリティ評価、EUタクソノミー自動分類)を持つプラットフォームへの需要が急増しています。クラウド展開が市場の54%を占め、セキュリティではSOC 2 Type 2とISO 27001認証が標準要件となっています。