EV充電設備設置業者の選び方と導入の実務
2030年までに国内30万口という政府目標のもと、EV充電インフラ整備は加速しています。東京都では2025年4月から延床面積2,000㎡以上の大規模建築物で駐車区画数の20%以上にEV充電設備の整備が義務化されるなど、商業施設・マンション管理会社にとって充電器導入は喫緊の課題となりました。
現在、EV充電器設置工事に対応できる業者は全国で100社以上存在しますが、選定時には「対応エリア」「工事規模」「アフターサービス体制」の3要素を重視すべきです。特に商業施設への急速充電器設置では、キュービクル内の受変電設備改造や変圧器容量の確認が必須となり、初期費用の大半は機器本体ではなく電源工事費が占めます。分電盤からの配線距離や地盤条件によって工事費は数十万円から数百万円まで変動するため、複数社による現地調査と見積もり比較が不可欠です。
補助金活用の実務: 令和7年度のCEV補助金では、商業施設・宿泊施設への普通充電器導入で工事費補助上限135万円/基が設定されています。申請代行に対応する業者を選ぶことで、煩雑な手続きを省力化できます。
| 充電器タイプ | 設置費用目安 | 工事期間 | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| 普通充電器(6kW) | 機器+工事で約200万円 | 3~4週間 | マンション・商業施設の長時間駐車 |
| 急速充電器(25~50kW) | 機器+工事で400万円~ | 1~3ヶ月 | 高速道路SA/PA・ディーラー |
導入後の運用面では、e-Mobility Powerなどの充電ネットワークへの接続により課金管理を自動化できます。全国2.5万口以上が接続する同ネットワークでは、EVユーザーの充電時間に応じて設置事業者に提携料(急速15.4円/分、普通2.2円/分)が支払われる仕組みです。
- マンション導入の合意形成
- 管理組合での合意形成が最大の壁となります。初期費用・月額費用・電気代が0円のマンション向けプランを提供する事業者もあり、住民負担を最小化する提案が鍵となります。
- 寒冷地対応
- 北海道・東北地域では-20~+40℃対応の寒冷地仕様充電器を選定する必要があります。新電元工業などが専用モデルを提供しています。
業界動向: 富士経済の調査によれば、2035年には普通充電器が2020年比59%増の13.2万個、急速充電器が同62%増の1.27万個に達すると予測されており、設置業者の選定は中長期的なパートナーシップの構築として捉えるべきです。全国展開する大手業者は24時間365日のコールセンター体制を整備している一方、地域密着型業者は柔軟な工事対応と低コストが強みとなっています。