ISO22716(化粧品GMP)認証取得OEMメーカーの選定基準
化粧品ブランドの品質管理担当者にとって、ISO22716(化粧品GMP)認証の取得は委託先選定における最重要指標の一つです。2007年に国際規格化されたISO22716は、原材料調達から出荷までの全工程における品質・安全性管理基準を定めており、EU向け輸出では事実上必須の要件となっています。日本では2008年に日本化粧品工業連合会が自主基準として採用し、現在では国内約180社のOEMメーカーが認証を取得しています。
2023年度の化粧品受託製造市場は3,456億円(前年度比104.2%)に達し、コロナ禍からの回復とインバウンド需要の再拡大により2026年度には4,000億円規模への成長が見込まれています。この成長を背景に、品質保証体制の差別化が受託先選定の決定要因となっており、単なる認証取得の有無だけでなく、取得工場の稼働年数・監査実績・クレーム対応履歴まで精査する必要があります。
大手OEMメーカーの品質管理体制
業界最大手のTOA株式会社(旧日本コルマー、2025年3月期売上629億円)は、150名以上の品質管理・品質保証担当者を配置し、薬機法対応だけでなくグローバル要求事項にも対応可能な体制を構築しています。東洋ビューティは2016年に上野工場でISO22716を取得し、ISO9001・ISO14001との統合運用により環境配慮型製造も実現。三省製薬は1887年創業の漢方処方を起源とし、2022年に佐賀工場でISO22716を取得、原料開発から製品出荷までの一貫体制を確立しています。
専門特化型メーカーの強み
富士産業(香川県)は育毛剤分野で40年の研究実績を持ち、詫間工場でISO9001/22716を取得。臨床試験症例2,329件、学会発表36件という圧倒的なエビデンス構築力が差別化要因です。シーエスラボは館林工場で陽圧クリーンルームを運用し、塵埃数・浮遊菌の定期測定により医薬品製造レベルの清浄度を維持。ラパスジャパンは韓国CGMP認証も取得し、マイクロニードルパッチなど先端技術製品に強みを持ちます。
認証取得工場の実態と監査対応
ISO22716は国の認定機関が存在しない「プライベート認証」のため、監査機関の選定と監査頻度が品質保証の実効性を左右します。日本能率協会審査登録センター(JMAQA)やSGSなど信頼性の高い機関による定期監査実績の確認が不可欠です。また、マーナーコスメチックスのようにエコサート認証を併用取得する事業者も増えており、オーガニック・ナチュラルコスメ市場への対応力も評価軸となります。
OEM契約における品質保証条項
薬機法第17条に基づく製造販売業者の品質管理義務を踏まえ、委託契約では製造記録の保存期間(最低3年)、逸脱管理手順、変更管理プロセス、回収時の責任分界を明確化する必要があります。特に医薬部外品の受託では、製造管理者の配置基準や承認書との同一性確保が重要となり、GMP省令レベルの管理体制を求めるケースも増加しています。受託先のGMP適合性調査対応実績や行政指導歴の確認も必須です。