水素燃料電池の部品サプライチェーン構造
PEM型燃料電池スタックは、膜電極接合体(MEA)をバイポーラプレート(セパレータ)で挟み込んだセルの積層体です。MEAは電解質膜(PEM)、触媒層、ガス拡散層(GDL)で構成され、各層ごとに高度な専門技術を持つサプライヤーが存在します。
触媒層ではPt系触媒の田中貴金属工業やUmicore、Johnson Mattheyが世界シェアを分け合い、電解質膜ではW.L. Gore(GORE-SELECT)が自動車用途で業界標準を確立しています。GDLはSGL Carbon(SIGRACET)とFreudenbergが二大サプライヤーとして知られ、Hyundai NEXOやトヨタMIRAIへの採用実績があります。
セパレータ分野では、カーボン系は日清紡ケミカルがトップメーカーとして年産1000万枚体制を構築中であり、金属系はトヨタ紡織がMIRAI向けに精密プレス技術を活用しています。シール部品(ガスケット)ではNOKやFreudenberg Sealing Technologiesが主要プレイヤーです。
近年はアジア太平洋地域がGDL需要の48%以上を占め、韓国・日本・中国での生産拠点拡充が加速しています。Umicoreは2026年稼働予定で中国・常熟に世界最大のPEM触媒工場を建設中です。