水素パイプライン・インフラ整備に取り組む企業一覧
水素経済への移行において、大規模な水素輸送・供給インフラは不可欠です。本データベースは、水素パイプラインの設計・建設・運営を行う国内外の主要企業を網羅しています。
グローバル市場の動向
水素パイプライン市場は2024年の1億5,470万ドルから、2025年には51億ドル、2035年には272億ドルへと年平均成長率60%で急拡大する見通しです。欧州では2030年までに11,600km、2040年には40,000kmのパイプライン網整備が計画されており、このうち約8割が2030年までに運用開始予定です。
主要プレイヤーと技術トレンド
既存の天然ガスパイプライン事業者が水素対応化を進める一方、通信インフラや電力網を持つ異業種企業も参入しています。技術面では、既存パイプラインの転用(約52%が転用計画)とRTP(強化熱可塑性パイプ)などの新素材開発が並行して進んでいます。Air Liquideは米国湾岸で700km超のネットワークを運営し、Spindletop地下貯蔵施設と直結。Snamは北アフリカから欧州へ3,300kmの専用水素回廊「SoutH2 Corridor」を主導し、年間400万トンの輸入能力を目指しています。
日本国内の取り組み
日本では東京ガスが2024年3月に晴海地区で国内初の住宅・商業施設向け水素パイプライン供給を開始。NTTグループは通信用管路60万kmを活用した水素配管網の実現可能性調査を東京都と協業で実施中です。川崎重工業は2030年度に4,000億円の水素事業規模を計画し、パイプラインを含むインフラ支援を展開。JFEスチールは高圧水素パイプラインの国内基準化に向けた研究開発をNEDO事業として推進しています。
地域別の進展状況
欧州はEuropean Hydrogen Backbone構想のもと、ドイツが9,040kmのパイプライン網を政府承認し、既存インフラの転用と新設を組み合わせて推進。中東ではオマーンが南北1,000kmの水素パイプラインを計画し、サウジアラビアは世界最大の水素供給国を目指しています。北米では米国が既存1,600kmの水素ライン網を持ち、HyBlendイニシアチブで既存天然ガスパイプラインへの水素混入技術を開発中。Enbridgeはカナダで北米初の2.5MWパワー・トゥ・ガス施設を運営し、既存ガス網への2%水素ブレンディングを実施しています。