eKYC市場の成長と導入企業の選択基準
2022年度の国内eKYC・当人認証ソリューション市場規模は前年度比122.1%の69億1,800万円に達し、2024年時点で4,766万ドル、2033年までに2億817万ドルへの成長が予測されています。銀行の約半数がすでにeKYCを導入済みで、今後は非金融領域での導入も加速する見通しです。
犯罪収益移転防止法(犯収法)の厳格化と、2026年4月の携帯電話不正利用防止法改正を背景に、金融機関・フィンテック企業は信頼性の高いeKYCサービス選定を迫られています。選定基準として、顔認証精度(なりすまし検知率)、ユーザー離脱率(申込完結率)、法令準拠性(犯収法、古物営業法、労働者派遣法等への対応)、API統合性が重視されます。
市場シェアでは、LIQUID eKYCがITR調査で売上金額シェアNo.1、TRUSTDOCKが東京商工リサーチ調査で導入社数No.1を獲得。技術面では、NECが世界No.1の顔認証エンジンを提供し、ポラリファイはDaon社の政府・金融機関向けアルゴリズムを採用しています。
「eKYC導入企業のうち、IT・インターネットが21.9%、サービス業が18.2%を占め、両業界で全体の40.1%に達する。金融機関以外での普及が本格化している」(矢野経済研究所、2023年)
ホ方式(容貌画像+本人確認書類)とヘ/ワ方式(ICチップ読取)の使い分け、マイナンバーカード公的個人認証への対応、OCR精度とLLM活用による自動化率も、サービス比較の重要指標となっています。導入コストは月額1.8万円〜の従量課金制から、エンタープライズ向けカスタマイズまで幅広く、自社の取引量とコンプライアンス要件に応じた選択が求められます。