防爆機器市場の概要
防爆電気機器は、可燃性ガス・蒸気・粉塵が存在する危険場所で使用される電気機器であり、労働安全衛生法により厚生労働省型式検定(防爆)に合格した機器のみが使用を許可されています。グローバル市場規模は2025年に88.3億米ドル、2034年には143.8億米ドルへの成長が予測されており(CAGR 5.57%)、石油精製・化学プラント・ガス施設の安全性確保ニーズが市場を牽引しています。
防爆構造の種類と適用場所
耐圧防爆構造(d):密閉容器内部の爆発圧力に耐え、外部への引火を防ぐ構造。Zone 1・Zone 2に適用可能で、小型から中型機器の防爆化に最適。
内圧防爆構造(p):保護ガスを容器内に注入し内部圧力を維持することで外部ガスの侵入を防ぐ構造。制御盤など大型電気機器の防爆化に適用。Zone 1・Zone 2対応。
安全増防爆構造(e):正常使用時にアーク・火花を発生しない機器に適用。過大温度上昇やアーク発生のリスクを低減した構造。主にZone 2、条件によりZone 1でも使用可能。軽量化が可能で、水素・アセチレンなどグループⅡC対応製品の製作が容易。
国内外の防爆認証制度
TIIS(JPEx):日本の防爆認証制度。技術検定機関(TIIS)または登録型式検定機関(NCS、DEKRAなど)による型式検定が必要。有効期限3年。IECEx/ATEX認証は日本国内では法的効力を持たないため、国内プラントでは別途JPEx取得が必須。
IECEx:国際電気標準会議が定めるグローバル防爆認証制度。多くの国で相互認証が進んでおり、試験データがJPEx審査でも活用される。
ATEX:欧州連合の防爆指令に基づく認証制度。EU市場での販売に必須。
日本市場の動向
日本国内では、indexProに防爆製品メーカー20社が登録されているほか、防爆モーター17社、防爆コネクタ16社、防爆照明11社、防爆はかり14社など、各分野で専門メーカーが活動しています。近年は半導体製造・自動車塗装分野での本質安全防爆機器の採用拡大に加え、食品業界・医薬品業界といった新規市場での防爆機器導入が進展。また、省エネ推進によりLED防爆照明への切り替えが加速しており、2021年以降の蛍光灯・水銀灯生産終了に伴い、既存設備のリプレース需要も増加しています。
主要メーカーの特徴
IDECは防爆のリーディングカンパニーとして、日本・IECEx・ATEX・UKEX・UL等のグローバル防爆認証を取得し、海外プラント向け製品を展開。島田電機は1972年創立の防爆専業メーカーで、LED照明・ジャンクションボックス・ケーブルグランドまで幅広い製品を国内外のプラントに供給。岩崎電気は照明器具から配電機器・配管パーツまで豊富なラインナップを持ち、厚生労働省型式検定合格品を提供。星和電機は国内業界初の国際防爆認証(IECEx・ATEX)取得LED灯器具を発売し、内圧防爆制御盤・防爆表示器ボックスなども製造。竹中電子工業は本質安全防爆構造のセンサー・リレー中継装置・高解像度ネットワークカメラなど、センシング技術と防爆技術を融合した製品を展開しています。