工場排水処理薬品メーカーの選定ポイント
工場排水処理における薬品選定は、処理効率とコストに直結する重要な意思決定です。凝集剤・中和剤・脱色剤などの処理薬品は、排水中の重金属、油分、SS(浮遊物質)、COD(化学的酸素要求量)など、処理対象物質の特性によって最適な製品が異なります。
市場には国内大手からグローバル企業まで約200社のメーカーが存在し、それぞれ異なる技術特性と実績を持ちます。日本国内では栗田工業、オルガノ、住友重機械エンバイロメントが主要プレイヤーとして知られ、グローバル市場ではSNF Floerger、Kemira、Solenis、Ecolabなどが凝集剤・凝固剤分野で高いシェアを持ちます。
重要: 無機凝集剤はpH6-9の中性域で最大効力を発揮するため、中和処理と凝集処理を同時に行える製品を選定することで薬品使用量を削減できます。
製品形態も選定の鍵です。粉末型凝集剤は溶解に時間を要しますが保管性に優れ、高濃度液状型は自動化が容易で溶解時間が短縮されます。また、アニオン系・カチオン系・ノニオン系など電荷特性の違いにより、沈降分離、浮上分離、脱水など用途に応じた銘柄選定が求められます。
| 処理対象 | 推奨薬品タイプ | 主要メーカー技術 |
|---|---|---|
| 重金属(Cr, Pb, Cd等) | 無機凝集剤+キレート剤 | 栗田工業Wellclean、オルガノ重金属処理剤 |
| 油分・SS | 高分子凝集剤(カチオン系) | MTアクアポリマーアロンフロック、住友イズミフロック |
| COD・色度 | 脱色剤+酸化剤 | 各社酸化処理薬品シリーズ |
グローバル市場では、凝集剤・凝固剤市場が2024年の70億米ドルから2037年には140億米ドルに成長すると予測されており(CAGR 6%)、水処理薬品全体では2024年の459億ドルから2032年に695億ドルへ拡大する見込みです。この成長の背景には、環境規制の強化と水資源リサイクル需要の高まりがあります。
- 相見積の重要性
- 同じ処理対象でもメーカーによって薬品注入率が異なり、ランニングコストが2-3倍変わることもあります。必ず実排水でのジャーテスト(凝集沈降試験)を実施し、処理性能とコストを比較してください。
- 技術サポート体制
- 排水性状の変化に応じた薬品銘柄の見直しや、最適注入率の調整など、継続的な技術サポートが受けられるメーカーを選定することで、長期的なコスト削減が可能になります。