日本の契約管理リーガルテック市場の全体像
日本のリーガルテック市場は2023年に353億円規模に達し、2025年から2035年にかけて年平均成長率8.6%で成長すると予測されています。特に電子契約サービス市場は2021年に140億円(前年比38.6%増)、2025年には395億円に拡大する見込みです。弁護士ドットコムが公開した「日本のリーガルテックカオスマップ2024」では約100サービスが紹介されており、中でも「契約系サービス」は最も競争が激しい領域となっています。
契約管理プラットフォームは、AI契約審査・契約書管理(CLM)・電子契約の3つの機能軸で進化しています。LegalForceやContractS CLM等の主要プレイヤーは、契約ライフサイクル全体(作成→レビュー→承認→締結→管理→更新)をカバーするエコシステムを構築。AI-OCRによる自動データ抽出、自然言語処理によるリスク検知、DocuSign・クラウドサイン等の電子契約サービスとのAPI連携が標準機能となりつつあります。
主要サービスの機能比較
LegalForceキャビネは、株式会社LegalOn Technologiesが提供するAI契約管理システムで、アップロードした契約書からAIが当事者名・契約開始日終了日・自動更新有無を自動抽出します。DocuSign・GMOサイン・クラウドサインと連携し、電子契約で締結した契約書を自動取り込み可能です。
ContractS CLM(旧Holmes)は、ContractS株式会社が提供する契約ライフサイクル管理システムで、300種類以上の弁護士作成テンプレート・AI-OCRによる台帳自動生成・Word/PDF/HTML形式対応が特徴です。Contract SIGNによる電子契約機能に加え、DocuSign・クラウドサインとも提携しています。
OLGA(旧GVA assist)は、GVA TECH株式会社が提供する契約審査AIで、400社以上が導入し98%が負担軽減を実感しています。「読む・直す・仕上げる」の工程をAIと弁護士ナレッジでサポートし、Word連携で編集・自動バージョン管理が可能。顧客の契約書をAI学習データに用いない独自のセキュリティポリシーを採用しています。
LAWGUE(ローグ)は、FRAIM株式会社が特許技術で提供するAI契約書レビューサービスです。条項単位の不足条項サジェスト・自動体裁補正機能は同社の保有する特許技術で、契約書の類型を問わず規程類・仕様書・特許文書・IR文書・議事録等にも対応します。DAISO(株式会社大創産業)をはじめ、弁護士法人・自治体・官公庁等、幅広い導入実績があります。
AI-CONは、機械学習アルゴリズムで契約書から重要条項・データを自動抽出・分類する日本発のAI契約審査プラットフォームです。ビジネスニーズや法的要件に応じてカスタマイズ可能な学習機能が特徴で、契約レビュー時間を大幅に削減します。
選定時の重要ポイント
サービス選定では、①解決したい課題の明確化(レビュー時間短縮 vs 契約書管理効率化)、②既存の電子契約サービスとの連携可否、③AI機能の精度と学習データのセキュリティポリシー、④Word連携等の編集機能、⑤料金体系(多くは個別見積もり)が重要です。大手企業や上場企業では導入が進む一方、中小企業では初期投資の高さやDX遅れが障壁となっています。無料トライアルを提供するサービスが多いため、実際の業務フローで試用することが推奨されます。
リーガルテックを導入済みの日本企業は全体の1%未満(約170万社の株式会社中)とされており、市場には大きな成長余地があります。特に働き方改革・リモートワーク推進を背景に、契約業務のデジタル化需要は今後も拡大が見込まれます。