資金移動業者登録制度とフィンテック市場の現状
資金移動業者とは、資金決済法に基づき内閣総理大臣(金融庁)の登録を受けた事業者で、銀行以外で為替取引を業として営むことができます。2025年11月30日時点で全国に82社が登録されており、PayPay、LINE Pay、メルペイなど日常的に利用されるキャッシュレス決済サービスの多くがこの登録を受けています。
2021年5月の法改正により、送金額の上限に応じて3つの類型が創設されました。第一種資金移動業は送金額の制限がなく高額国際送金に対応、第二種は100万円以下の従来型サービス、第三種は5万円以下の少額決済に特化し規制が緩和されています。この多層的な規制により、利用者保護と事業者の柔軟性が両立されています。
資金移動業界の取扱額は過去8年で約80倍に急増し、2017年度に1兆円を突破しました。国際送金分野ではWise、SBIレミットなどが従来の銀行送金よりも低コストで迅速なサービスを提供し、外国人労働者や越境EC事業者の重要なインフラとなっています。フィンテック企業にとって、提携先の資金移動業者の選定は事業戦略上の重要な判断です。登録番号、登録日、所管財務局、対応送金額などの正確な情報を把握することで、コンプライアンスリスクを回避し、最適なパートナーシップを構築できます。
給与デジタル払い制度の導入により、資金移動業者の役割はさらに拡大しています。厚生労働省の認可を受けた事業者は、従業員への給与を銀行口座を経由せず直接アプリ残高として支払うことが可能になり、労務管理のDX化を促進します。金融庁の登録一覧は随時更新されるため、最新の登録状況を確認することが提携先の信頼性評価において不可欠です。