日本の医療機器ディストリビューター市場概要
日本の医療機器市場は世界第3位の規模を誇り、2023年には国内生産2兆6,747億円、輸入3兆3,217億円の合計約6兆円市場に達しています。医療機器卸売業界は市場規模4兆円超で、約2,000社のディストリビューターが全国で事業展開しています。
業界構造は大きく二層に分かれており、売上高1,000億円以上の大手グループ(シップヘルスケア、エム・シー・ヘルスケア、メディアス、ムトウ等)と、特定分野や地域に特化した中堅・中小卸が共存しています。医薬品卸業界と異なり、医療機器卸は上位10社のシェアが約26.6%にとどまり、地域密着型の中小企業が多数存在する分散型市場が特徴です。
海外メーカーが日本市場参入時に重視すべきポイント
- PMDA認証対応: 医療機器販売には厚生労働省・PMDAの許可が必須。ディストリビューター選定時には薬事申請サポート体制を確認
- SPD・物流管理能力: 大手病院では院内在庫管理システム(SPD)導入が進んでおり、SPD対応可否が取引条件になるケースが増加
- 地域カバレッジ: 全国展開の大手か、特定地域に強い中小卸か、自社製品の販売戦略に応じて選択が必要
- 製品分野の専門性: 画像診断装置、循環器系、整形外科、在宅医療など、ディストリビューターの得意分野と自社製品の親和性を確認
- 営業力とネットワーク: 大学病院・公立病院向けか、民間クリニック向けか、顧客基盤を事前調査
市場トレンドと今後の展望
医療機器卸業界は現在、M&Aによる業界再編が加速しています。大手グループは地方卸を積極的に買収し、全国ネットワーク構築とスケールメリット追求を進める一方、独立系の中小卸は専門性を武器に差別化を図っています。
国の社会保障費抑制政策により利益率は厳しい環境(営業利益率1〜2%)が続いていますが、高齢化に伴う医療需要増加により市場自体は拡大傾向です。特に在宅医療機器、AI・ロボット支援手術システム、遠隔診療対応機器などの先端分野に注目が集まっています。