医療廃棄物滅菌処理装置市場の現状
世界の医療廃棄物管理市場は2026年に約184億ドルに達し、2030年までに247億ドルへ成長すると予測されています。日本国内では10,000を超える病院が存在し、1ベッドあたり月約50kgの医療廃棄物が発生しています。日本市場は2024年に24.8億ドル、2033年には58.7億ドルへと拡大する見込みです。
院内処理への移行が進む背景には、外部委託の運搬リスクとコスト増大があります。感染性廃棄物処理費用を大幅に削減できる院内滅菌装置は、病院の施設管理部門にとって戦略的投資となっています。
主要な滅菌方式と技術
- 高圧蒸気滅菌(オートクレーブ)
- 最も普及している方式。121-134°Cの飽和蒸気で15-30分処理し、芽胞を含むあらゆる微生物を死滅させる。STERIS、Getinge、Tuttnauer等の欧米メーカーが高いシェアを占める。
- 高周波滅菌
- 廃棄物を粉砕しながら高周波加熱で滅菌。ステリィウエイブ(セントラル科学貿易)など、コンパクトな設置面積で院内処理を実現。
- 乾燥減量滅菌
- 紙おむつや血液付着ガーゼなど水分の多い廃棄物を1/5~1/10に減量しながら滅菌。メルトキングMDなど日本独自の技術も存在。
グローバルメーカーの動向
米国STERISは売上30億ドル超のリーディングカンパニーで、多様な規制要件に対応した革新的オートクレーブを展開。スウェーデンGetinge(売上13億ドル)は自動化とエネルギー効率に注力し、持続可能性を重視する施設に支持されています。イスラエルTuttnauer社は省スペース設計と直感的操作性で中小規模施設にも導入しやすい製品を提供。
一方、日本では東洋株式会社のDISPOPACが感染性廃棄物を非感染性へ転換する独自ソリューションとして注目されています。処理後は産業廃棄物として扱えるため、処理コストの大幅削減が可能です。
装置選定のポイント
| 評価項目 | 重要性 | 確認ポイント |
|---|---|---|
| 処理能力 | 高 | 1日の廃棄物発生量に対して余裕のある設計か |
| 法規制適合 | 高 | 廃棄物処理法・感染症法・医療法の基準を満たすか |
| 省スペース性 | 中 | 既存施設への設置可能性 |
| 運用コスト | 高 | 電気・水道・メンテナンス費用の総額 |
| 安全機能 | 高 | 自動ロック、圧力監視、排気フィルター等 |
院内滅菌処理への移行は、単なるコスト削減ではなく、感染管理の内製化による安全性向上と、廃棄物処理プロセスの透明性確保を意味します。