産業医紹介会社とは
産業医紹介会社は、労働安全衛生法により常時50人以上の労働者を使用する事業場に義務付けられている産業医の選任をサポートする専門サービスです。全国で約16.5万事業場が産業医選任義務の対象となっており、企業規模・業種・地域に応じた最適な産業医のマッチングを提供します。
市場動向と需要背景
2021年の経済センサスによれば、50名以上の事業場は全国で約16.5万件存在し、このうち未選任事業場が約9.3%(約1.5万件)に上ります。一方、日本医師会認定産業医は10.7万人を超えるものの、実際に稼働している産業医は約3.4万名に留まり、需給ギャップが生じています。このため、企業と産業医を効率的にマッチングする紹介サービスの重要性が高まっています。
主要サービス提供会社
産業医紹介市場には、医療専門人材サービスを展開するエムステージ(登録医師6,700名超)、エムスリーキャリア(導入実績6,400件超、月額3万円~)、メンタルヘルス対策に強みを持つドクタートラスト(登録医師2,500名超、契約企業3,000社超)、東証プライム上場企業が運営するリモート産業保健(導入1,300社超、産業医・看護職2名体制)、厳選採用と高継続率(98%超)が特徴の産業医クラウド(アヴェニール)などが存在します。
選定時の比較ポイント
- 料金体系
- 月額3万円~が相場。初期費用無料が一般的だが、訪問頻度・サポート内容により変動。
- 登録医師の専門性
- 精神科・心療内科等メンタルヘルス専門医、特定業種(製造業・IT業界等)に精通した産業医の有無。
- 対応範囲
- 職場巡視、衛生委員会出席、ストレスチェック実施医師、復職面談等の包括サポート。
- オンライン対応
- リモート面談・オンライン衛生委員会等、ICT活用による柔軟な運用体制。
- クラウド管理ツール
- 従業員健康データ一元管理、産業医との情報共有システムの有無。
企業規模別の選任形態
| 従業員数 | 産業医形態 | 選任人数 |
|---|---|---|
| 50~999人 | 嘱託産業医 | 1名 |
| 1,000~3,000人 | 専属産業医(常勤) | 1名 |
| 3,001人以上 | 専属産業医 | 2名以上 |
法令遵守とペナルティ
産業医の未選任は労働安全衛生法違反となり、50万円以下の罰金が科されます。また、産業医選任後は14日以内に所轄労働基準監督署への届出が必要です。選任後も月1回以上の職場巡視、衛生委員会への出席(月1回以上)、健康診断結果に基づく就業上の措置に関する医師からの意見聴取など、継続的な産業保健活動が求められます。
2019年の働き方改革関連法施行により、産業医の権限が強化され、産業医への情報提供義務(長時間労働者リスト等)や、産業医の勧告に対する事業者の対応義務が明確化されました。