日本の医薬品CDMO市場と企業概況
日本の医薬品CDMO(Contract Development and Manufacturing Organization)市場は、2024年時点で約130億米ドル規模と評価され、2033年までに年平均5.9%で成長し216億米ドルに達すると予測されています。グローバル医薬品市場が成熟する一方、バイオロジクスやモダリティ多様化への対応ニーズから、専門性の高いCDMOへのアウトソーシングが加速しています。
国内には日本CMO協会に正会員として29社が加盟しており、再生医療等製品分野では経済産業省が26社のCDMOリストを公開しています。低分子医薬品からバイオ医薬品、遺伝子治療薬、細胞治療まで、モダリティごとに専門特化した企業群が形成されています。
主要プレイヤーの戦略
富士フイルムは2028年度までに約7,000億円を投資し、バイオCDMO事業売上5,000億円を目標に掲げ、米ノースカロライナ・デンマーク拠点で2万L培養タンク36基体制を構築中です。AGCは横浜に5,000Lシングルユースバイオリアクター2基を導入し、mRNA・抗体医薬・遺伝子治療対応のデュアルユース施設を2027年稼働予定。味の素はオリゴ核酸の独自液相製法AJIPHASE®と遺伝子治療薬CDMOで差別化し、2031年度に売上1,000億円を目指します。
製薬ベンチャーにとっての意義
治験薬製造から商用生産へのスケールアップ、GMP対応、グローバル規制当局対応など、自社設備投資が困難な創薬ベンチャーにとって、CDMOは開発パートナーとして不可欠です。日本国内CDMOは、PMDA・FDA・EMA査察実績を持つ企業が多く、グローバル展開を見据えた品質保証体制が整っています。モダリティ・剤形・製造規模・対応地域から最適な委託先を選定することが、開発成功の鍵となります。