なぜ今、マーケットアクセス専門コンサルが必要なのか
日本では長らくPMDA承認後、ほぼ半自動的に保険償還が行われてきた。しかし2010年代後半、オプジーボが米国の3倍の価格で上市し2年で約2,000億円規模に達したこと、ソバルディが90日以内に約2,000億円を記録したことを契機に、薬価制度は根本的な転換期を迎えた。医療費抑制圧力が強まる中、上市時の薬価設定が生涯収益を左右する時代となり、HTAや費用対効果評価への対応が不可欠となっている。
従来の大手コンサルティングファームは戦略策定に強みを持つが、薬価交渉の実務やPMDA対面助言といった実装フェーズでの専門性が限定的だった。一方、マーケットアクセス特化型ファームは、規制当局・保険者・医療経済評価機関との対話から申請書作成、償還後のポートフォリオ最適化まで、バリューチェーン全体を支援できる。特にオンコロジーや希少疾患といった高額医薬品領域では、複数製品の適応拡大戦略と薬価維持の両立が求められ、専門家の介在価値が飛躍的に高まっている。
日本市場の独自性と支援企業の類型
日本は世界第3位の医薬品市場でありながら、薬価算定ルールの複雑さ、国民皆保険制度下での政策的判断、ドラッグラグ問題など、独自の課題を抱える。これに対応するため、支援企業は大きく3つに分類される。
- グローバル専門ファーム(IQVIA、ZS、Parexel等):世界70カ国以上のネットワークと膨大な市場データを武器に、グローバル臨床開発と連動した薬価戦略を提案。MIDASなど独自DBで競合分析の精度が高い。
- 日本特化型(CMIC、Yakumed等):PMDA・厚労省との長年の関係性を活かし、オーファンドラッグのMAH partnering(承認取得代行)や薬事申請実務まで一気通貫で対応。日本市場参入の初動支援に強み。
- 総合コンサル(デロイト、PwC、L.E.K.等):戦略×デジタル×組織変革を統合し、マーケットアクセス組織の立ち上げやポートフォリオ全体の意思決定を支援。M&Aやライセンスイン判断との連動が得意。
選定時の3つの観点
1. フェーズ適合性:Phase 2の早期薬価評価が必要ならグローバルファーム、申請直前の実務支援なら日本特化型、事業戦略全体の見直しなら総合コンサル。
2. 疾患領域専門性:希少疾患・オーファンはCMIC/Yakumed、オンコロジーはZS/IQVIA、再生医療・遺伝子治療は先端技術対応実績を確認。
3. 実装力:戦略提案で終わらず、PMDA面談同席、申請書ドラフティング、薬価交渉シミュレーションまで伴走できるか。