自動車部品めっき分析試験の品質基準とサプライヤー監査
自動車産業において、めっき皮膜の品質は部品の耐食性・信頼性を左右する重要な要素です。IATF16949では、外部試験所に対してISO/IEC 17025認定または同等の国内規格への適合を要求しており、品質管理責任者は第三者認定を受けた試験所への委託が不可欠です。
めっき分析試験の主要項目は以下の3つに分類されます:
- 膜厚試験
- 電解式膜厚計や蛍光X線分析装置により、めっき皮膜の厚さを非破壊または微破壊で測定。JIS H 8501、ISO 3497等の規格に準拠。
- 密着性試験
- JIS H 8504に規定されたテープ試験、曲げ試験、熱衝撃試験により、基材とめっき層の界面強度を評価。Tier1サプライヤー監査で頻繁に要求される項目。
- 耐食性試験
- 塩水噴霧試験(SST)、複合サイクル試験(CCT)、キャス試験(CASS)により、実環境を模擬した腐食加速試験を実施。VDA 233-102、SAE J2334等の自動車メーカー独自規格にも対応。
近年では、SEM/EDS分析による断面観察と元素分析を組み合わせ、めっき層の組成・厚さ分布・界面状態を詳細に評価する手法が標準化しています。特に多層めっき(Cu/Ni/Cr等)では、各層の密着性と耐食性の両立が求められます。
自動車部品サプライヤーの品質保証部門では、新規めっき業者の選定時に第三者試験所のデータを根拠として採用可否を判断します。ISO/IEC 17025認定試験所のレポートは、国際相互承認(ILAC-MRA)により海外OEMへの提出にも有効です。
試験所選定のポイントは、納期・技術相談体制・Tier1実績の3点です。量産前のPPAP(生産部品承認プロセス)では短納期が求められるため、試験設備の稼働状況と優先対応の可否を事前確認することが重要です。また、めっき不良の原因究明には、表面分析の専門知識を持つ技術者との対話が不可欠であり、単なる試験代行ではなく技術パートナーとして機能する試験所を選ぶべきです。