再生可能エネルギーEPC市場の現状
日本の電力EPC市場は2024年時点で約150億ドル規模に達し、2026年にかけて年率6〜7%の成長が見込まれています。政府が2050年カーボンニュートラルを掲げる中、太陽光・風力・バイオマスなどの再エネ発電所建設需要が急拡大しており、設計・調達・建設を一貫して請け負うEPC事業者の役割が重要性を増しています。
2024年時点で再エネは日本の電源構成の28.5%を占め、2010年から15ポイント上昇しました。2040年には電源構成の40〜50%を再エネで賄う目標が掲げられており、洋上風力、太陽光、蓄電池併設型プロジェクトを中心にEPC需要が継続します。
EPC事業者の選定基準
再エネ発電事業者がEPCコントラクターを選定する際の主要評価項目は以下の通りです:
- 発電容量実績
- 過去に手掛けたプロジェクトの累計容量(MW)。大型案件の経験は技術力とリスク管理能力の証明となります。
- エネルギー種別の対応力
- 太陽光、風力、バイオマス、地熱、水力など、複数の再エネ技術に対応できるかどうか。ハイブリッド発電所の需要増加に伴い重要性が増しています。
- 系統連系の技術力
- 送電網への接続は再エネプロジェクトの最大の技術的ハードル。系統連系実績の豊富さは納期遵守の鍵です。
- O&Mサービスの提供
- 建設後の運用保守まで一貫対応できれば、長期的な発電効率の維持が可能になります。
国内主要EPCコントラクターの特徴
| 企業タイプ | 強み | 代表企業 |
|---|---|---|
| 専業EPC | 件数実績、コスト競争力 | テス・エンジニアリング、ウエストHD |
| 総合エンジニアリング | 大型案件、複雑プロジェクト | 東芝ES、東洋エンジニアリング |
| 電気工事系 | 系統連系技術、地域密着 | 九電工、エクシオグループ |
| 国際JV | グローバル水準、先進技術 | juwi自然電力、Shizen Energy |
| 総合建設 | 風況解析、大規模土木 | 鹿島建設、大林組 |
最新トレンド:蓄電池併設とハイブリッド化
FIT制度からFIP制度への移行に伴い、発電事業者は市場価格変動リスクに対応する必要が生じています。そのため太陽光や風力に蓄電池を併設し、出力を平準化するプロジェクトが急増中です。テス・エンジニアリングは2025年に130億円規模の系統用蓄電所EPCを受注、東芝ESも国内最大規模の蓄電池併設太陽光を手掛けるなど、EPC各社が蓄電技術の強化を図っています。
洋上風力EPCの本格化
政府は2040年までに洋上風力を最大45GW導入する目標を掲げており、秋田県沖をはじめ大規模洋上風力プロジェクトが進行中です。洋上風力EPCには海洋土木、大型クレーン船、気象海象予測など陸上とは異なる専門技術が必要で、鹿島建設などの総合建設会社や、海外EPCとの技術提携が進んでいます。