登録支援機関とは
登録支援機関は、特定技能1号の在留資格で外国人を雇用する企業に代わり、法定の義務的支援(10項目)を実施する公的認定機関です。出入国在留管理庁の審査を経て登録され、2026年1月時点で全国に11,039件が存在します。製造業・建設・介護など人手不足が深刻な16分野で、受入企業の負担を軽減しつつコンプライアンスを担保する重要な役割を果たしています。
登録支援機関が必要とされる背景
特定技能外国人を雇用する企業には、事前ガイダンス、出入国時の送迎、住居確保支援、生活オリエンテーション、公的手続き同行、日本語学習機会提供、相談・苦情対応、日本人との交流促進、転職支援、定期面談など10項目の義務的支援が法律で義務付けられています。これらを全て自社で実施するには専任スタッフの配置や多言語対応体制が必要となり、中小企業にとって大きな負担です。
登録支援機関に全ての支援を委託すれば、受入企業は支援体制の基準を満たしたものとみなされ、本業に集中できます。特に製造業・建設業・介護事業では、現場の人手不足が深刻化しており、外国人材の定着支援を専門機関に任せることで、採用から就労定着までをスムーズに進められます。
分野ごとの協議会加入義務
登録支援機関を選定する際は、対応分野における協議会加入義務の確認が不可欠です。飲食料品製造業・外食業では登録支援機関も協議会への加入が義務付けられており、加入していない機関に委託すると受入企業側で特定技能外国人の受入れができなくなります。一方、製造業(工業製品製造業)・建設では加入は任意ですが、農業・漁業では協議会への必要な協力が求められます。
委託費用の相場と選定ポイント
登録支援機関の月額委託費用は平均28,386円(出入国在留管理庁調査)で、全体の約9割が月額3万円以下に収まります。ただし費用の高低だけでなく、支援実績(同業種・同国籍の支援経験)、対応言語の充実度、所在地(企業との距離)、料金体系の透明性、対応スピードを総合的に評価すべきです。
全国10,000件超の登録支援機関のうち、約24%は登録のみで実際の支援実績がないという調査結果もあります。製造業・建設・介護それぞれの業種特有の課題を理解し、緊急時に母国語でサポートできる体制を持つ機関を選ぶことが、外国人材の定着とコンプライアンス遵守の両立につながります。
地域別の分布と東京一極集中
全国の登録支援機関の約5分の1(2,114件)が東京都に集中しており、次いで大阪府が1,100件超と続きます。名古屋を含む愛知県や福岡県など主要都市圏に多く分布する一方、地方では選択肢が限られるため、遠隔地の機関に委託すると交通費や対応の遅延が課題となります。定期面談や緊急時対応を考慮し、可能な限り自社に近い機関を選定することが推奨されます。