日本の再生医療等製品CDMO市場の現状
経済産業省と再生医療イノベーションフォーラム(FIRM)が2025年4月に公表した公式リストによれば、日本国内には現在26社の再生医療等製品CDMO企業が存在します。これらの企業は、細胞治療、ex vivo遺伝子治療、ウイルスベクター、プラスミド、mRNAなど、特定領域における製造受託サービスを提供しています。
日本の再生医療市場は2023年時点で約250億円規模と推定されており、2030年には8,500億円(約63億ドル)にまで成長すると見込まれています。この急速な成長に伴い、自社で製造施設を持たない再生医療ベンチャーや大学発スタートアップにとって、GCTP(再生医療等製品の製造管理及び品質管理の基準)適合施設を持つCDMO企業との連携は不可欠となっています。
GCTP適合の重要性
再生医療等製品の製造には、GCTPへの適合が法的に求められます。GCTPは厚生労働省令第93号(2014年)として定められた基準であり、国内外の製造施設はPMDA(医薬品医療機器総合機構)による適合性調査を受ける必要があります。一般的なバイオCDMOが持つ細胞培養設備では、このGCTP要件を満たすことができず、再生医療等製品の製造委託先は限定されます。
主要プレイヤーの動向
| 企業 | 特徴 |
|---|---|
| タカラバイオ | 遺伝子・細胞プロセッシングセンターを拠点に、初期開発から商用生産までワンストップサポート。抗体医薬品向けに国内最大規模のシングルユースバイオリアクター(3,000L級)を導入 |
| 帝人リジェネット・J-TEC | 共同でTEIJIN CDMOブランドを展開。柏の葉施設(研究開発・治験薬製造)と岩国工場(商用生産)の連携体制。経産省CDMO補助金の支援事業に採択され、2027年までに数十億円規模を投資予定 |
| ファーマバイオ | 1978年設立(2010年現社名移行)の老舗。細胞シート等の先端技術に特化し、名古屋と川崎に拠点 |
| S-RACMO | 住友化学グループの再生医療・細胞治療CDMO。第3製造施設(CRAFT)完成で生産能力が約2倍に。2021年以降3期連続で黒字化 |
政府支援策
経産省は「再生・細胞医療・遺伝子治療 製造設備投資支援補助金」を通じて、国内に製造拠点を持つCDMO企業の設備投資を支援しています。これにより、国内に製造プロセス開発のノウハウを蓄積し、創薬力の強化を目指しています。
公式リストは、アカデミアや創薬ベンチャーとCDMOのマッチングを促進し、国内創薬エコシステムの強化を意図して作成されました。対象は再生医療等製品製造許可または特定細胞加工物製造許可を取得済み、もしくは連携を公表している企業です。