SaaS支出管理ツールで企業の無駄なコストを削減
平均的な企業では、SaaS支出の25~30%が無駄に浪費されていると報告されています。米国Zyloの調査によれば、年間1,800万ドル(約27億円)もの支出が適切に管理されていない状況です。SaaS支出管理ツールは、企業が契約している全てのSaaSアプリケーションを自動検出し、利用状況・コスト・セキュリティリスクを一元管理するプラットフォームです。
主要機能と選定ポイント
自動ディスカバリーとシャドーIT検出: SSO、財務システム、HRIS、API、ブラウザ拡張、ネットワークログなど複数のデータソースから、組織内で使用されている全てのSaaSアプリを自動検出します。IT部門が把握していない「シャドーIT」も可視化し、セキュリティリスクを低減します。
コスト最適化と利用状況分析: Zyloのデータでは、企業は平均してアクティブライセンスの56%しか使用していません。未使用ライセンスの検出、重複アプリの統合、部門別・プロジェクト別のコスト配分を可視化し、更新前に不要な契約を削減できます。
自動化とワークフロー: 新入社員のアカウント一括発行、退職者のアクセス権自動削除、アプリ申請・承認フロー、ライセンス再配分など、手作業で行っていた業務を自動化します。ToriiやBetterCloudは、カスタムワークフロー構築に強みを持ちます。
セキュリティとガバナンス: BetterCloudは、Google Workspace、Microsoft 365、Dropbox、Slack等のファイルを横断的にスキャンし、DLP(データ損失防止)やインサイダー脅威検知を提供します。アクセス権限の一元管理とポリシー自動適用により、コンプライアンスを強化します。
市場動向と2026年の展望
Gartnerは、2026年までに95%以上の組織がSaaS管理プラットフォームを導入すると予測しています。SaaS市場は2030年まで年率13.7%で成長し、8,192億ドル規模に達する見込みです。日本市場でも、マネーフォワード Admina(シェア20.7%)、デクセコ、ジョーシス、Bundle by freeeなど国内製品が台頭しており、300件以上のSaaS連携とコスト分析機能を提供しています。
導入効果とROI
Spenfloは平均30%のコスト削減を実現し、Toriiも同様の成果を報告しています。AI駆動型の予測分析、リアルタイム利用状況追跡、ベンチマーク比較により、IT・財務・調達部門が協力してSaaS支出を戦略的に管理できます。2026年以降、AI統合やFinOps対応がさらに進化し、クラウドコスト管理との統合が標準となります。
選定時の注意点
コスト管理機能を搭載する製品は全体の約3割であり、シングルサインオン対応製品も限られています。自社のSaaSエコシステム(Microsoft 365中心、Google Workspace中心など)との連携性、自動化の柔軟性、セキュリティ要件を明確にし、無料トライアルで実際の検出精度を確認することが重要です。