半導体故障解析受託サービスの選定ポイント
市場返却品の故障モードを特定し、設計や製造プロセスへフィードバックすることは、半導体製品の信頼性向上において最も重要な工程のひとつです。しかし、FIB-SEM、TEM、エミッション顕微鏡といった高額な解析装置を社内で維持・運用するには、設備投資だけでなく専門オペレータの確保と技術継承が大きな課題となります。
専門ラボへの受託により、自社では保有困難な最新装置(プラズマFIB、ロックイン発熱解析、ナノプローブ等)と、長年の解析実績に基づく高度なノウハウへ即座にアクセスできます。特に、パワーデバイスやSiC/GaN化合物半導体のように、新材料・新構造のデバイスでは、過去事例の蓄積が解析成功率を大きく左右します。
受託先を選定する際は、対応可能な解析手法の幅(電気特性測定→非破壊検査→物理解析の一貫性)、装置の最新性(特にFIBの加工精度やSEMの分解能)、ターンアラウンドタイム(初報3日以内、最終報告10日以内等)、専門分野の一致(車載、産業機器、民生等)を確認することが推奨されます。日本国内では東芝グループ、パナソニック、クオルテック、アイテスなどが代表的であり、台湾のiSTやMSScorpsといったアジア圏の大手ラボも、AI半導体需要の拡大を背景にグローバル顧客基盤を拡大しています。
解析結果は単なるレポートに留まらず、設計へのアクションアイテムとして機能することが重要です。ラボ側が設計・製造プロセスへの深い理解を持つかどうかが、真の価値を生む分水嶺となります。