株主総会運営支援サービスの選定が企業価値を左右する時代
株主総会の準備・運営は、招集通知の法定記載事項確認から議決権行使促進、当日のシナリオ設計、想定問答作成、会場設営、音響映像手配、オンライン配信まで、極めて多岐にわたります。上場企業約3,800社のうち、専門サービス会社を活用する企業は年々増加しており、特にスチュワードシップ・コード導入後は機関投資家対応の高度化が必須となっています。
従来は信託銀行の証券代行業務に付帯するサービスを利用するケースが大半でしたが、現在ではディスクロージャー専業(プロネクサス、宝印刷)、総会システム専業(東和エンジニアリング)、SR/IRコンサル(アイ・アール ジャパン、日本シェアホルダーサービス)、イベント運営(JTBコミュニケーションデザイン、フロンティアインターナショナル)、プラットフォーム運営(ICJ)など、専門性を持つプレイヤーが市場を形成しています。
特に2020年以降、バーチャル株主総会やハイブリッド開催が普及し、配信技術・双方向コミュニケーション基盤の整備が競争優位の源泉となっています。議決権電子行使プラットフォームには約1,800社が参加し、平均36%の議決権がプラットフォーム経由で行使される状況です。コーポレートガバナンス・コードの厳格化に伴い、想定問答の精度向上や、議決権行使結果の分析サービスも重要度を増しています。
総務・IR部門にとって、適切なパートナー選定は法令遵守リスクの最小化だけでなく、株主エンゲージメント品質の向上、ひいては企業価値評価の改善に直結します。各社の提供領域、システム基盤、実績件数、対応言語、グローバル機関投資家対応力を比較検討することが、戦略的な株主総会運営の第一歩です。