日本のテレマティクス保険市場
テレマティクス保険は、車載デバイスやスマートフォンアプリで取得した運転データを分析し、安全運転度合いに応じて保険料を割引する自動車保険です。日本では2023年度の市場規模が2,622億円に達し、自動車保険全体に占める割合は6.1%、普及率は8.0%となりました。2026年度には市場規模4,734億円、普及率14.2%に達すると予測されており、急速な成長が続いています。
あいおいニッセイ同和損保が契約台数190万件(2025年1月時点)でトップシェアを占め、損保ジャパン、東京海上日動、三井住友海上、イーデザイン損保などが追随する形で市場が形成されています。各社ともテレビCMなどで認知度を向上させ、新規自動車購入者や保険満期を迎える顧客に対して特約での加入を促す積極的な販促活動を展開中です。
個人向けと法人向けの違い
個人向けテレマティクス保険は、スマホアプリまたは専用デバイスで運転データを取得し、保険料割引、ポイント付与、キャッシュバックなどの形で安全運転を評価します。あいおいニッセイ同和損保、イーデザイン損保、ソニー損保、損保ジャパンが主要プレイヤーです。
法人向け(フリート契約)では、ドライブレコーダー一体型のテレマティクス端末を活用し、安全運転管理、事故時の自動通報、管理者向けレポート配信、ESG経営支援など、企業の安全運転管理体制そのものを支援するサービスが中心となります。あいおいニッセイ同和損保、東京海上日動、三井住友海上が強みを持ちます。
コネクテッドカー連携保険の登場
近年、自動車メーカーの純正コネクテッド機能と連動したテレマティクス保険が相次いで登場しています。損保ジャパンは2021年10月より「トヨタコネクティッドカー保険」、2022年秋からは「Hondaコネクト保険」「日産カーライフ保険プラン」を提供開始。専用デバイス不要で車両データを直接取得できるため、ユーザーの利便性が高く、今後の主流になると見られています。
2026年の最新動向
あいおいニッセイ同和損保は2025年11月から2026年3月まで、生成AIを活用した運転アドバイスプラットフォームの実証実験を東海東京証券と共同で実施しており、2026年12月までに企業への本格導入を目指しています。運転データをAIが分析し、個別最適化されたアドバイスを提供することで、さらなる事故削減効果が期待されています。
また、東京海上日動の「法人ドライブエージェント」では、Hacobuの動態管理サービス「MOVO Fleet」との連携プランが登場し、物流DX支援の観点からもテレマティクスの活用が広がりつつあります。保険商品としての枠を超え、企業の経営課題解決ツールとしてテレマティクスが位置づけられる時代に突入しています。