日本の防振・制振装置メーカー市場概況
日本の防振・制振装置市場は、建築用免震装置、産業機器向け防振装置、精密機器用除振台の3つの主要セグメントで構成されています。日本免震構造協会に登録されている免震関連メーカーだけでも数十社に及び、オイレス工業、TOYO TIRE、ニッタ、倉敷化工などが積層ゴムアイソレータで高いシェアを持っています。制振ダンパー分野では、カヤバ(KYB)が国内シェア45%を占め、川金コアテック、センクシアと合わせて市場の過半を占めます。
精密除振台分野では神津精機、明立精機、ヘルツなど28社が競合し、半導体製造装置や精密測定機器向けに高度な振動絶縁技術を提供しています。住宅用制振ダンパー市場では、住友ゴム工業のMIRAIEシリーズ、住友理工のTRCダンパー、トキワシステムのαダンパーなど、メンテナンスフリーで60年の耐久性を持つ製品が普及しています。グローバル市場では、振動減衰材市場が2025年の112億ドルから2030年には142億ドルに成長すると予測され、日本企業は高品質な技術で競争力を維持しています。
製品カテゴリと技術方式
防振・制振装置は大きく4つのカテゴリに分類されます。免震装置は、積層ゴムアイソレータ(天然ゴム系NRB、鉛プラグ入りLRB、高減衰ゴム系HDR)が主流で、建物と地盤を絶縁し地震の揺れ周期を長周期化します。制振装置では、オイルダンパー(速度比例型粘性ダンパー)が超高層ビルに、高減衰ゴムダンパーが中低層建築や木造住宅に使用されます。防振装置は、産業機器向けにポンプ・チラー用のOS式防振装置や防振ゴムマウントが使われ、特殊粘弾性ゴム「ノンブレン」などの高性能材料も開発されています。精密除振台は、空気ばね式パッシブ除振台とセンサー・アクチュエータ搭載のアクティブ除振台に分かれ、ナノメートルレベルの振動制御が求められる半導体製造や精密測定に不可欠です。
主要メーカーと製品例
免震分野では、オイレス工業が東京スカイツリーやJPタワーへの納入実績を持ち、TOYO TIREは薄いゴム層と鋼板を交互に積層した高性能免震ゴムを供給しています。制振分野では、センクシアが1997年以来、鉄骨造ビルやスタジアムに筒型粘性ダンパーを提供し、川金コアテックのKYMオイルダンパーは突起物のないシンプル構造が特徴です。住宅用では、住友ゴム工業が微小な揺れから大地震まで対応する高減衰ゴム製品を展開し、アイジーコンサルティングのMER-SYSTEMは基礎パッキン型で低コスト施工を実現しています。精密除振台では、神津精機がスチールハニカムコアと全方位対応空気ばねを採用した高剛性製品を提供し、昭和サイエンスがアクティブ除振ユニットから防音ボックスまで幅広いラインナップを展開しています。